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思春期の諸問題
心も体も子供から大人へと変わっていく時期で、無月経、生理不順、不正出血や生理痛などで悩んではいませんか。思春期に特徴的な症状とも言えますが様子を見ていてもいいものばかりではありません。成長過程ですから自力でホルモンバランスを正そうとしている時期でもあり体の持つ本来の能力を妨げるような治療であってはなりません。そのためにもきちんとした診断が必要で、タイミングよく正しい治療方法を提案させていただきます。将来を考えて子宮頸がんワクチンもお勧めしています。
子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)は、定期予防接種の対象者は無料で受けていただけます。
詳しくは川崎市のホームページをご覧ください。
定期予防接種対象外の方は保険適用外(費用:17,500円※税込)となります。
※主な副反応として発熱や接種した部位の痛みや腫れなどが起こる可能性がございます。詳しくはこちらもご覧ください。
不妊症
一般的には妊娠を希望して1年以上経っても妊娠しない時に不妊症と診断されますが、女性の年齢が不妊の要因にもなっているために、妊娠を希望した時点でなるべく早く検査・治療を受けられることが勧められるようになってきました。したがって年齢や、どれくらい強くあるいは早く妊娠を望んでおられるのかといったことに応じて、ご提案させていただく治療方法も異なってきます。何れにしてもご夫婦で取り組むことですからよく話し合い気持ちを1つにして臨むようにしましょう。当院では一般不妊検査、治療はもとより体外受精も行います。
不正出血
月経以外の出血や通常の月経と異なる出血の経験が、婦人科を受診するきっかけとして多く見受けられます。
まず区別すべきは妊娠に関連する出血や悪性疾患ですから可能性があれば妊娠反応を行なったのちに子宮がん検診を受けていただきます。
子宮がん検診も子宮頸がん検診だけではなく子宮体がん検診が必要となることもあります。
また子宮腟部びらん、頸管ポリープ、子宮内膜ポリープや子宮筋腫といった良性疾患についての検査を行います。
ただし、不正出血の原因として多いのがホルモンバランスの様々な乱れですから、どういったホルモン環境なのかをきちんと把握して止血を図るとともに再発を予防するための治療法をご提案いたします。
受診する際には出血がおさまるまで待たずに早めに受診して頂くことが重要です。
多くの方が止血するのを待ってから受診をしようと考えておられるようですが、貧血の原因となったりどこからの出血だったのかがわからなくなり、きちんとした診断ができなくなる可能性があります。
出血を気にせず早めに受診してください。
更年期障害
いわゆる更年期障害は女性の約50%の方が経験すると言われています。(詳しくはこちらもご参照ください。)一定の年齢となり体調を崩されますと更年期障害を心配して受診される方が多いのですが、必ずしも更年期障害とは言えない場合がありますので注意が必要です。甲状腺機能異常や心疾患、消化器疾患、精神疾患などによる体調不良を更年期障害だと決めつけてしまうと、こういった疾患は経過をみていても治らないばかりか悪化する可能性がありますからきちんとした診断が必要です。従って更年期障害と診断するにはそういった他の疾患を否定することが重要となりますから、必要に応じて他科の先生方とも連携して診断治療にあたります。その上で更年期障害であれば仮に我慢をしていてもいつかは落ち着いてきますが、一定期間女性ホルモン補充療法を行うことで一気に症状は改善されます。ただし女性ホルモン剤の使用に制限がある方やご希望に応じて漢方薬の処方も行なっています。
女性アスリートの皆さま
月経周期の異常や無月経を放置したまま競技に打ち込んでいませんか。一生懸命にトレーニングさえすれば競技成績が向上すると信じ切ってはいませんか。競技生活を続ける上で重要なことはきちんとしたエネルギー補給、つまり栄養バランスを考えた食事を摂ることといっても良いでしょう。男女を問わずスポーツによって消費したエネルギーを十分に補充しないことが様々な体調不良の引き金になるということが国際オリンピック委員会から提唱されています。女性アスリートではその体調不良のうち月経異常とそれに関連した骨密度低下との関連が特に注目されています。月経不順は時に無月経となる前兆であり、長期にわたって無月経を放置することはエストロゲンという女性ホルモンの低下から骨密度の低下をきたし疲労骨折へとつながる可能性があります。大きな目標があったり好きで続けているスポーツであっても、怪我で断念することになるかもしれません。女性アスリートでは十分にエネルギー補給ができているかどうかを月経で評価することができるといっても良いでしょう。激しい運動をしているから月経周期が乱れたりなくなるのが当たり前ということはありません。無月経となる前に月経周期が乱れた段階から意識をして栄養摂取を十分にしてゆくことが重要でしょう。もちろん一般の女性と同様に様々な疾患が隠れていることもあるので、区別をするために早い段階から受診していただければと思います。
月経に際しての痛みや体調不良、月経前の体調不良や体重増加などで競技生活に影響が出てはいませんか。鎮痛剤や低用量ピルを使用することでこれらを改善してゆくことができますのでご相談ください。
サプリメントや薬局で購入した風邪薬、あるいは医師から処方された薬であっても口に入れるものについては全てドーピング違反となる禁止物質が含まれている可能性があるので、自らの責任できちんと調べてから使用あるいは内服するようにしましょう。海外ではサプリメントの製造過程で混入したドーピング禁止物質によって違反とされる例が毎年多数報告されています。漢方薬はその成分全ての詳細が明らかになっていませんので服用しないようにしましょう。薬剤に関しては事前にglobal DROやスポーツファーマシストのサイトから禁止物質が含まれていないかどうかを検索できますので事前に調べるようにしましょう。禁止物質が含まれていても他に代替治療法がない場合には申請をして認められることもありますのでまずはJADA(日本アンチドーピング機構)のホームページをご覧ください。
体外受精胚移植
卵管閉鎖など明らかに卵管に異常がある不妊症、あるいは一般不妊治療で妊娠に至らない場合に体外受精胚移植をお勧めする事があります。保険診療の適応外ですので実費で30〜40万円の費用が必要です。ご夫婦の年収にもよりますが各自治体から受けられる補助金の制度もありますのでご相談ください。
合併症・副作用
【採卵時】
a.腹腔(ふくくう)内出血
腟から卵巣に向かって針を刺すため、多少なりともその部位から出血しますが、通常は強く押さえることで止血します。まれに太い血管を傷つけてしまったため出血量が多くなったり、止血が困難な場合には入院や手術が必要となることもあります。その際には救急搬送を行います。
b.感染症
お腹の中は無菌状態ですが、細菌にとっては格好のすみかであり繁殖しやすい場所です。腟からお腹の中に針を刺したときに腟内の細菌がお腹の中に入ってしまい感染症を起こすことがあります。採卵時には腟内をきれいに洗浄しますが完全に無菌にすることは困難です。このために抗生物質の予防的投与をいたします。
【卵巣過剰刺激症候群(OHSS)】
排卵誘発剤を使用した周期では発育する卵胞の数が増えることが多く、排卵後にこれらが黄体のう胞に変化して大きくなり、全体として卵巣そのものも大きくなってしまうことがあります。さらには大量に分泌される女性ホルモンの影響で血管から水分がしみ出しやすくなり、腹水や胸水となってお腹の中や胸に水がたまることもあります。血管の中は水分が失われるため脱水状態となってドロドロとなるため、重症時には血栓ができて脳梗塞などを起こすこともあります。これらを卵巣過剰刺激症候群と呼びます。
お腹が張ったように感じたり、下腹部が痛む、尿が少ないといった症状には注意が必要で、こういったときには可能な限り連絡をしていただき、必要に応じて超音波検査をおこなって卵巣や腹水の状態を把握する必要があります。さらに急激に腹水や胸水がたまると息苦しさや吐き気等も出現します。血液が固まりやすくなったために血栓ができやすくなると重篤な場合は脳梗塞を起こす可能性もあります。
【多胎妊娠】
IVF-ETの出現によって妊娠の機序のうち受精までを確認することができるようになりました。しかし着床の確認は妊娠反応が陽性になるまではできません。人工的に着床させる方法も今のところありません。着床障害に対しては受精卵を1度にたくさん子宮に戻すという解決策が考えられます。そのうちの1つでも着床してくれればいいという確率的な理論です。しかし、うまく1つだけ着床すればいいのですが、2つも3つもあるいはもっとたくさんの移植した卵がすべて着床してしまうかもしれません。不妊治療で苦労をしてきた方々の中には、1度に二人三人できるのなら好都合と考える方がおられます。しかし双子であってもほとんどの場合は早産で、三つ子以上の場合はほぼ早産となります。従って妊娠中も早産を防止するための安静や入院しての点滴治療といった周産期管理が長期間必要となることなり、早産で生まれた子達も新生児管理が必要となってしまいます。分娩(ぶんべん)もはじめから帝王切開が選択されるかもしれません。生まれてすぐに自分の力で呼吸をすることができずに人工呼吸器が必要となることもあります。そういった周産期医療に携わる産科・小児科の先生方の努力にも関わらず、全員が元気に育つというわけでもありません。現在では妊娠を目指す際には出産にまで目をやり、少なくとも多胎妊娠をさけるための予防策を不妊治療の段階で講じるようにしています。
ARTでは胚移植に際しては原則として1つの受精卵しか移植できません。ただし、女性の年齢が35歳以上である場合と、2度以上続けたARTによっても妊娠しなかった場合に受精卵を2つ移植することが認められています。
代替医療
ARTは次項にもあるように一般不妊治療と比較して経費がかさみます。一般不妊治療と比較して妊娠率が高いとはいえ胚移植あたりの出生率が20%にも満たないことが発表されています。(詳しくはこちら。※PDF形式のファイルをご利用になるためには、Acrobat Readerが必要です。)ARTを毎周期受け続けるのは経済的、肉体的そして精神的にもご夫婦の負担となってしまうことが予想されますが、ARTを受けない周期をどう過ごすのかについてはそれぞれのご夫婦で考え方が異なるようです。何もしないでのんびり過ごすことが良い場合もあるようですが、不妊治療継続を望まれる場合には一般不妊治療をお勧めしています。当院では一般不妊治療の段階から内分泌環境をできる限り整えるようにしたうえで、タイミング指導、洗浄濃縮AIHを行っています。手術療法が必要と判断される際には近隣の手術可能な施設を中心にご紹介いたしますし、手術をうけるにあたりご希望の施設がございましたらお申し出くださればその施設宛てにご紹介いたします。
通院日数は排卵誘発方法や排卵誘発剤に対する反応性によって異なります。
ご夫婦の年収にもよりますが各自治体から補助金が受けられる制度もありますのでご相談ください。
術前検査 | 9,000円 | |
採卵 | 140,000円+麻酔費用(0〜50,000円) | |
移植 | 70,000円 | |
排卵誘発剤 | クロミッド 1錠 | 1,000円 |
hMG、FSH 1回 | 5,000円 | |
ゴナールエフ300 | 20,000円 | |
ゴナールエフ450 | 27,000円 | |
ゴナールエフ900 | 46,000円 | |
GnRHa 1本 | 11,000円 | |
セトロタイド 0.25mg | 9,000円 | |
セトロタイド 3mg | 36,000円 | |
オビドレル 0.25mg | 3,500円 | |
凍結 | 30,000円 | |
凍結保存 1年 | 12,000円(1ヶ月 1,000円) | |
融解胚移植 | 80,000円 | |
黄体ホルモン腟錠 1錠 | 500円 ※1日2-3回使用 概ね妊娠8-9週まで | |
HCG値測定(採血) | 3,000円 |
上記金額は税込金額となります。